長手溶接部を無くした全溶接形鍛鋼製ボデーと、シートシール部を含めた全てのシール部に2重シール方式を採用したことにより、流れを確実に防ぐ安全設計のパイプライン用ボールバルブです。
KITZ全溶接形鍛鋼製ボールバルブは、パイプライン用ボールバルブとして求められるあらゆるニーズにお応えします。主な特長は以下の通りです。
長手溶接部の無い鍛鋼製溶接一体形のため、製品の品質が安定しています。
シートシール機構は、ばね力と流体圧力を利用した“フローティングシール方式”を採用し、低圧から高圧まで対応できます。
シートシール部は、ゴムシートによる“2重シール方式”(メタル-ソフトーメタルシート)を採用していますので、シール性・耐久性・緊急蘇生性に優れています。
ワイパをシートシール部に設けることで異物侵入を防ぎます。また、シーラント分配も均等に行えます。
2重シール方式のステムシール部は、メンテナンス性を考慮し、上部シールはバルブ運転中でも交換できる構造となっています。
ベントバルブは不意の飛び出しを防ぐ、安全ロック付きです。
最終溶接部も含めた、全溶接箇所について、放射線検査が可能な構造となっています。(呼び径4B以上)
●ボデー
長手溶接部が無く、材料強度に優れた鍛鋼製ボデーおよびボデーキャップをステムの両側で溶接しています。
●シートシール(図1)
ゴムシートばね力により、初期つぶし代(H1)を圧縮し、アウタリングとともにボールに密着させます。さらに、流体圧力により生じる自緊力を利用し、2次つぶし代(H2)も圧縮、シートリテーナもボールに密着させる『2重シール方式』を採用しています。また、異物侵入の防止およびシーラントの均一供給のために、シート内側にワイパを設けています。
●ステムシール(図2)
貫通部および合せ面ともに2重シール方式となっています。また、ボトムステム部も2重シール方式です。
●静電気防止機構
ボールが常にアウタリング・シートリテーナ・ばね、およびボデーとメタルタッチしていますので、静電気の帯電を防ぎます。
●ファイアセーフ
シートシール部は、ボールとアウタリングのメタル-メタル接触となっていますので、火災などによりシートが焼失し た場合でも、シール性を発揮します。また、シートリテーナの0リングが焼損しても、アウタリングの不燃性リテーナリングが過大な漏洩を防ぎます。
★オプションにて、ステム・ボトムステム部に、不燃性パッキンを取付けることが可能です。
●ブロックアンドブリード(図3)
バルブを閉にして、ボデーキャビティ部の圧力を大気に放出できます。 その際、ベントバルブにホースを取付けることで、安全な場所への放出ができます。また、ベントバルブは不意の飛び出しを防ぐため、安全ロックが装着されています。